福岡県田川市弓削田3237

文字サイズ 標準

採用情報

トップページ > 精神科コラム一覧 > 統合失調症について

精神科コラム

統合失調症について

統合失調症とは、幻覚や妄想が症状として出現する病気です。
発症に男女の差はなく、100人に1人程度が発症します。発症の直接的な原因はまだ分かっておらず、元々(遺伝的に)なりやすい要因を持っている人が何らかのストレスを強く感じることで発症するのではないかと言われています。

 

その症状には大きく分けて、健康な時にはなかったものが現れる「陽性症状」と健康な時にあったものがなくなってくる「陰性症状」があります。病状の経過やその時期によってはどちらかしか見えないときもあるし、両方が同時に現れる時もあります。

 

陽性症状とはそこにない音や話し声が聞こえる「幻聴」や明らかに間違った内容を信じ込んでしまう「妄想」があり、多くの場合病初期から出現します。そのため、周りの人がわかりやすい初期のサインとして「いつも不安そうで緊張している」、「監視や盗聴をされると訴える」、「ブツブツ独り言や一人でニヤニヤ笑うことが多い」などがあります。

 

治療の基本は薬物療法で、抗精神病薬と言われるものを使用します。薬の種類や飲み方は様々あり、ライフスタイルや体質によって使い分けます。過去には不治の病のイメージの強い病気でしたが、今では治療薬も発展し外来で治療しながら結婚や就職など普通の人と同じような生活ができる方もいます。一方で患者さん自身は発症を自覚できないことがあります。本人より先に家族や周囲の人が気づいたときは、早めに医療機関を受診し、相談してください。

 

精神保健医療部長 平岡 健太郎