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精神科コラム

ADHDについて2

 ADHD(注意欠如・多動症)の治療、支援方法について解説します。前回に引き続き、こちらも昨年コラムで書いた自閉スペクトラム症について2」を参照いただきたいのですが、と同様、人によって少しずつ違った特性があるので、医療機関などでの医師や心理士などの専門家と話し合ったり、知能検査や心理検査などを行うなどして、個々人の特性を把握していく必要があります。

 

 支援の一例を挙げると、不注意への対応としては注意が逸れやすいような刺激になりそうなものをあらかじめ取り除いた環境で、やることをあらかじめ定め、小さな達成を重ねていく。衝動性への対応としては些細なことは無視し、あらかじめ行動のルール、約束を取り決めておき、守れたときは肯定的なフィードバックを行う。多動性への対応としては多動性を無理に抑えようとせず「動ける保証」をする、小まめに休憩を設定しておいたりする、などがあります。

 

 薬物療法に関してはメチルフェニデート(商品名コンサータ)やアトモキセチン(商品名ストラテラ)などの薬が注意力や集中力を改善するとされていますが、上記のような支援をメインにあくまで補助的に使用することが推奨されています。

 

(参考文献:本田秀夫編集:講座精神疾患の臨床 神経発達症群.中山書店, 2024)

 

 

精神保健指定医  田中 大三