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精神科コラム

「引きこもり」について その1

 2023年に内閣府が行った調査によると、引きこもり状態の人は全国に146万人おり、15歳〜39歳までの若者の2.05%、40歳〜64歳の中高年の2.02%と推計されています。50人に1人が引きこもり状態にあるということです。

 

 原因としては「退職」が最も多く、次に学校や職場での「人間関係がうまくいかず」、「中学校時代の不登校」、「コロナ禍」と続きます。近年では男性だけでなく女性の引きこもりも増え、50歳以上の中高年の引きこもりが増えていること(8050問題)も注目されています。

 

 統合失調症や発達障害などが原因で引きこもる人たちがいる一方、引きこもりが長期化した結果、全体のおよそ3分の1の人たちが気分障害、不安障害などの精神症状を呈していると言われます。医療的な関わりが必要であるにも関わらず、なかなか受診に至らないのが特徴です。

 

 核家族化、少子高齢化、未婚率の増加、単身世帯の増加などと相俟って、男女を問わずあらゆる世代において、「引きこもり」は解決すべき社会的課題のひとつとなっています。

 

 

精神保健指定医 豊福 正人