心気症について
心気症(しんきしょう)とは、自身の身体にささいな不調や違和感を感じたときに、「自分は重い病気・命に関わる病気にかかっているのではないか」と強く思い込み、その健康不安や恐怖が長期間(通常6カ月以上)続く精神疾患です。
具体的には頭痛、耳鳴り、しびれ、胃痛、動悸、発汗、倦怠感、不眠などの身体症状訴えが見られるが、病院に受診し、検査や医師の説明で身体疾患が否定されても、心配が解消されず、いくつもの病院を受診することが見られる。
また、病気や症状について頻繁に人に訴える、インターネットで過度に情報検索をするなどの行動が見られる。不安が強いため、日常生活や仕事・学業など社会生活に支障をきたすことがある。
明確な生物学的原因は分かっていませんが、ストレス、過労、過去の病気体験や身近な人の発病などがきっかけとなることがある。真面目で神経質、完璧主義な性格傾向の人にやや多いとされます。ときに背景にうつ病や不安障害があり、その症状として見られることもあります。
治療に関しては主に認知行動療法などの精神療法が有効とされ、患者と医師の信頼関係が重要です。不安が強い場合やうつ症状を伴う場合には抗うつ薬や抗不安薬を使用することもあります。
精神保健指定医 田中 大三