ストレスって何?
ストレスとは元々は、distress(苦痛や悩みなどの意)のdi-がなくなったもので、物理学の用語が由来です。
さてストレス、ストレスとよく使ってますけど、ストレスって何?と聞かれるとみなさんはどのように答えるでしょうか?
たいていは嫌なことや心配事が多い状態を想定すると思います。ただ、学術的にはもう少し広い意味を持っていて、先ほど想定した職場や家庭における不安・緊張・恐怖・怒りなど心理的・社会的なものに加えて、暑さや寒さ、例えば有害物質など物理的・化学的なもの、他には病気や飢え・睡眠不足などの生理的なものもストレス、厳密にはストレッサーに含みます。
ストレスが重なると、疲れやすくなったり体がだるくなったり、不眠を来すこともあります。その状態が長く続くと、うつ病や不安障害などの精神科疾患の罹患リスクがあるだけでなく、心筋梗塞や脳卒中、高血圧症、アトピー性皮膚炎や胃潰瘍などの発症リスクも増加することが知られています。
しかし、ストレッサーも悪いことばかりではありません。
むしろ世の中でストレッサーが完全になくなることはありませんし、いくつかの方法で適応したり、解決に動くことで、人間的に成長する糧になりえますし、成長を実感し、自信をつけて前に進むことができます。バランスの取れたストレスとの付き合いができるといいんですけど、これがなかなか難しいんですよね・・・。
(参考文献 堀田 秀吾. 図解ストレス解消大全 科学的に不安・イライラを消すテクニック100個集めました. SBクリエイティブ, 2020, 240p)
精神科診療部長 坂本 成映