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精神科コラム

怠薬と剤形

 怠薬という言葉を聞いたことはありますか?

 

 薬を飲み忘れたり、自己中断することで薬を飲んでいない状態のことです。

精神科では残念ながら怠薬する患者さんが多いのが現状です。また、精神疾患の多くは怠薬すると症状が再燃(症状が再度悪くなること)しやすい疾患が多く、治療上非常に問題となります。

 

 そこで薬剤にも様々な工夫がされるようになってきました。

服薬回数が多い薬剤は飲み忘れる可能性が高くなりますし、仕事等で昼間の内服が難しいケースもあります。そこで服薬回数を少なく1日1回の内服でも効果が持続する薬剤も増えてきました。

 

 また飲み薬以外にも貼付剤や持効性注射製剤などがあります。

貼付剤は視覚的にも周囲から分かりやすく、家族等の管理者からも薬が投与されているかどうか分かりやすいです。

 

 持効性注射製剤は製品によって投与感覚は異なりますが、週数間から現在国内で投与可能な製品では最大3ヶ月に1回の投与で済みます。副作用や注射部位のトラブルには十分注意が必要ですが、日々の内服からは解放され、怠薬を防げるという利点は非常に大きいです。また、医療者が直接投与しているため症状が悪くなった際にもその原因が怠薬によるものを除外できるため、治療の精度が高まる可能性があります。

 

 薬の飲み忘れが多い方は一度剤形についてご相談してみるのもいいでしょう。

 

 

精神保健指定医 沢田 雄太