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精神科コラム

社交不安障害(社交不安症)について

人前で話をするときや、自分が注目される場面などで強い不安を感じる病気を社交不安障害(または社交不安症)といいます。

 

社交不安障害の方は、人前や会議の場などになると強い不安や緊張を自覚し、上手く話せずどもってしまう(吃音)、顔が真っ赤になり頭の中が真っ白になる、など本人の意図する言動が行えなくなることがあります。動悸や発汗、吐き気、ふるえなどの身体症状が現れることもあります。その結果、怖いと感じる場面を避けようとすることで、人付き合いや仕事などの社会生活に支障をきたしてしまいます。極端な場合には、家に引きこもってしまうケースもあります。また、うつ病などの他の精神疾患を合併することも多いと言われています。

 

社交不安障害の治療については、薬物療法とカウンセリングが中心になります。薬物療法には抗うつ薬や抗不安薬などが使われます。また、認知行動療法と言われるカウンセリングでは、心と体をリラックスさせる、苦手なものや場所に少しずつ慣れさせていく、極端な考え方のクセを見直すといったことをやっていきます。こうした治療を通じてストレスを軽くし、不安や恐怖に対処できるようなサポートを受けながら、苦手なことに段階的にチャレンジして、自信を取り戻すことが回復につながっていきます。

 

精神保健指定医 吉田 武史