心と行動①
精神科は心を扱う診療科です。昔から心の研究は行われてきましたが、心そのものを目で見ることはできません。どういった方法で心にアプローチするか、歴代の研究者たちも頭を悩まされたことでしょう。
さて、心は行動に現われると言われます。私たちは自分の行動をどのように決定しているのでしょうか。事の大きさは大小あるにせよ、日常生活の中では取るべき行動を自分で決めないといけない場面が多数あり、私たちは時には時間をかけて迷いながら、時には瞬時に、決めています。
今回は、人間の精神活動の領域に関する規範でもある「行為規範」というものについて、法学的な観点も含めてご紹介し、人の行動はどのように決定されるのかを理屈で理解できればと思います。行為規範の定義を辞書で調べてみますと、「人が社会生活において行うべき、または守るべきものとされる規範」とされています。私たちはこのような、はっきりしているようで曖昧でもあるような判断基準のようなものを常に念頭に置き、時には瞬時に判断し、行動していることになります。すごいですね。
では来月5つの具体的な架空場面を提示しますので、ご自身ならどのように行動するか一度考えてみていただきたいと思います。
精神科医師 田中(一)



