犬と猫
家で飼われている動物としては犬と猫が多いと思います。その二つを比べると、犬が多かった時期もあるようですが、今は猫の方がやや多いようです。はっきりとした理由はわかりませんが、集合住宅が増えたことや、散歩など不要で比較的世話をしやすいことも原因かもしれません。
可愛さは同じくらいかもしれませんが、「犬と暮らすことは将来の認知症予防にもつながるかもしれない」という報告があります。東京都の高齢者1万人以上を約4年間追跡した研究で、犬を飼っている人は、過去に飼ったことがない人よりも認知症になる割合が低いことが分かりました。
その論文のなかでは、特に効果が大きかったのは「よく歩く」「人との交流がある」特徴を持った飼い主でした。毎日散歩することで自然と体を動かす習慣になり、近所の人と挨拶したり会話したりする機会も増えることに繋がります。こうした小さな行動の積み重ねが、脳の健康を守ることにつながったと考えられます。
一方で、猫の飼育については散歩がないので当然ですが、同じ傾向は見られませんでした。犬の世話は猫と比べると確かに少し大変ですが、その分生活にリズムと外出の理由を与えてくれる存在でもあるとも言えます。無理な運動や特別な訓練をしなくても「犬と暮らす日常」そのものが、少しですが認知症対策になる可能性があるそうです。
精神保健医療部長 平岡 健太郎



