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精神科コラム

認知症デイケア その1

 平均寿命が伸び高齢化が進む中で、いまや認知症は誰にとっても身近な疾患となっています。2022年時点で、65歳以上の高齢者の12.3%が認知症、15.5%が軽度認知障害(MCI)、85歳から90歳では32.8%が認知症、27.5%が軽度認知障害と診断されています。

 

 根本的な治療法がなく、多くの人々が発症し、老化現象にも近く見える認知症に対して、私たちは絶望したり恐れたりするのではなく、いかに上手に付き合っていくか、その戦略と工夫を考えた方がよさそうです。

 

 「認知機能低下にどのように備えるか」、「認知機能低下とどのように付き合うか」という考えの延長線上に創られたのが、認知症デイケアやデイサービスです。介護保険制度が始まる20年近く前の1983年、大学病院で認知症対象のデイケアが初めて開設されました。

 

 これを発案、提唱したのは認知症研究の第一人者、精神科医の長谷川和夫医師です。彼は後年、自らも認知症を発症したことを公表し、「認知症になるのが早いか、寿命が尽きるのが早いか、追いかけっこだ」と語っていたそうです。

 

 当院でも「認知症デイケア・紡ぎ」と「MCI(軽度認知障害)ユニット」が、その活動を担っています。これらの活動は認知症の進行を遅らせるだけでなく、高齢者の日々の生活や生きがいや、人生そのものを支える共同の場としても機能しているのです。

 

精神保健指定医 豊福 正人