心と行動②
先月の続きです。 早速ですが、以下に5つの架空の場面があります。あなたならどのように行動しますか?
1.今日は友達とランチに出かけます。服装や髪型はどうしますか?
2.自宅マンションのエレベーターで、あまり知らない人にばったり会いました。挨拶はしますか?
3.あなたは新入社員です。他の新入社員は皆先輩より早く出勤していることをある日知りました。 あなたも早く出勤しますか?
4.職場で同僚が陰口を言われています。どう対応しますか? 「本人のいないところで言うのはやめよう」と言いますか?
5.急用があり、すぐに横断歩道を渡りたいのですが、信号は赤です。しかし車はまったく来ていません。どうしますか?
これらの場面に絶対的な正解が一つしかないのであれば、迷う必要はないでしょう。選択肢があるからこそ人は考え、時には迷います。
さて、解説です。1は流行、2は風習、3は集団内部のしきたり、4は道徳、5は法、という行為規範となっています。そしてこの順に強制力が強くなっていき、また仮にこれらに従わなかった場合の影響もこの順に大きくなっていくとされています。5の法は、破ってしまうと罰を受けることがあります。
人に行動を促すために法を根拠として説得することは、非常に強い力を持ちます。しかし人がその行動を取ったからといって、心から納得しているとは限りません。 人間関係はその場限りでは終わりません。人に何かの行動を促す際には、強い行為規範を持ち出す前に、十分な対話があってよいのかもしれません。
私は大学1年生の時、大学でそのようなことを学びました。「三つ子の魂百まで」とのことわざがあります。三つ子ではありませんでしたが、18歳のみずみずしい心に響いたことは、今もまだ私の心に残っています。
参考文献
伊藤正己・加藤一郎編,1996,『現代法学入門 第3版』有斐閣双書.
精神科医師 田中(一)



