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精神科コラム

甲状腺機能低下症 架空症例

 Aさんは専業主婦の30代女性。明るく朗らかな性格で、これまで家庭や交友関係などで特に悩み事などもありませんでしたが、今年の春頃から特にきっかけなく気持ちが沈みがちになり、些細なことでもくよくよと悩むようになり、夜寝付けないことも増えました。好きだった買い物に出かけるのも億劫になり、体の怠さもあり、家にこもりがちになりました。食欲も落ちましたが、体重は減らずむしろ顔や手足がむくみがちでした。

 

 心配した夫の勧めで精神科を受診したところ、うつ病が疑われましたが、血液検査も勧められ受けることになりました。その結果、甲状腺ホルモンが低下していることが分かり、内分泌内科へ紹介され詳しい検査を受け、甲状腺機能低下症(慢性甲状腺炎)と診断されました。

 

 甲状腺ホルモンを補う内服治療を続けたところ、次第に症状は改善し、元の明るい日常生活を取り戻すことができました。

 

精神科保健指定医  吉田 武史