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精神科コラム

統合失調症 架空症例

Bさんは40代の女性です。国立大学を卒業後、小学校教員として数年働きました。

26歳の時に結婚し退職しましたが、子育てがひと段落した34歳から学習塾を経営しました。近所でも評判のいい塾でしたが、段々と忙しくなり、それと比例するように夜眠れなくなりました。

 

近所の内科に受診し、睡眠導入剤を処方されましたがあまり改善せず、疲れが取れないこともあり自宅にこもるようになってしまいました。数ヶ月後には自宅で家事もせず、電話をどこかにかけたり、家の前を通る車の音に敏感に反応するようになりました。また独り言が多くなり、「新聞に自分のことが載っているから新聞社に電話をかけないといけない」とか「自分は逮捕されたので警察に行かないといけない」などつぶやくようになりました。

 

心配した家族とともに精神科を受診すると、幻聴や被害妄想を指摘され、統合失調症と診断されました。その日から外来通院が始まり、抗精神病薬の内服が開始されました。治療の結果、徐々に独り言がへり、睡眠も取れるようになり、すこしずつ以前のように安定した日常生活を送れるようになりました。

 

統合失調症は誰でも罹る可能性のある疾患です。症状が軽いうちに治療を開始する方が症状が軽くて済む場合が多いです。気になる症状があるときはご相談ください。

 

精神保健医療部長 平岡 健太郎