福岡県田川市弓削田3237

文字サイズ 標準

採用情報

トップページ > 精神科コラム一覧 > 睡眠障害対処の12の指針

精神科コラム

睡眠障害対処の12の指針

 健康への欲求の高まりにより、マスコミ、口コミなどで、さまざまな睡眠に関する知識があふれています。その中には科学的根拠がないもの、あったとしても健康法自体は極端なものが多く、誤った情報により睡眠障害を悪化させているケースもみられます。

ここには、科学的根拠に基づくシンプルな睡眠知識のみを示しましたので、不眠にお悩みの方や周囲の方は、ご参考にしていただければ幸いです。

 

1.睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分

 睡眠の長い人、短い人、季節でも変化、8時間にこだわらない

 歳を取ると必要な睡眠時間は短くなる

2.刺激物を避け、眠る前には自分なりのリラックス法

 就床前4時間のカフェイン摂取、就床前1時間の喫煙は避ける

 軽い読書、音楽、ぬるめの入浴、香り、筋弛緩トレーニング

3.眠たくなってから床に就く、就床時間にこだわりすぎない

 眠ろうとする意気込みが頭をさえさせ、寝つきを悪くする

4.同じ時刻に毎日起床

 早寝早起きでなく、早起きが早寝に通じる

 日曜に遅くまで床で過ごすと、月曜の朝がつらくなる

5.光の利用で良い睡眠

 目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計をスイッチオン

 夜は明るすぎない照明を

6.規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣

 朝食は心と体の目覚めに重要、夜食はごく軽く

 運動習慣は熟睡を促進

7.昼寝をするなら、15時前の20~30分

 長い昼寝はかえってぼんやりのもと

 夕方以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響

8.眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに

 寝床で長く過ごしすぎると熟眠感が減る

9.睡眠中の激しいイビキ・呼吸停止や足のびくつき・むずむず感は要注意

 背景に睡眠の病気、専門治療が必要

10.十分眠っても日中の眠気が強いときは専門医に

 長時間眠っても日中の眠気で仕事・学業に支障がある場合は専門医に相談

 車の運転に注意

11.睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと

 睡眠薬代わりの寝酒は、深い睡眠を減らし、夜中に目覚める原因となる

12.睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全

 一定時刻に服用し就寝

 アルコールとの併用しない

 

(厚生労働省 精神・神経疾患研究委託費 睡眠障害の診断・治療ガイドライン作成とその実証的研究班、平成13年度研究報告書より)

 

精神科診療部長 坂本 成映