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精神科コラム

認知症の予防について

 認知症は予防できるのでしょうか。

 

 脳トレ、食生活の改善、有酸素運動など様々な方法が言われていますが、今回は厳密な科学的検証を受けた(それでも100%正しいというわけではないのですが)報告を紹介します。

 

 世界で最もよく知られ、最も評価の高い世界五大医学雑誌医の一つである『ランセット』誌の2024年の報告によれば、認知症の約45%は、以下の14の修正可能なリスク要因に対処することで予防または発症を遅らせることができるとされています。

 

1. 低い教育水準:幼少期から質の高い教育を受けることが重要です。

2. 聴覚障害:聴力低下を早期に検出し、補聴器の使用や有害な騒音の減少を図ることが推奨されます。

3. 高血圧:中年期から血圧を適切に管理することが必要です。

4. 喫煙:禁煙することでリスクを低減できます。

5. 肥満:適切な体重を維持することが推奨されます。

6. うつ病:うつ症状の予防と治療が重要です。

7. 身体的不活動:定期的な運動を行うことが推奨されます。

8. 糖尿病:血糖値の管理が必要です。

9. 過度のアルコール摂取:アルコールの摂取を適度に制限することが重要です。

10. 頭部外傷:接触スポーツや自転車乗車時にはヘルメットを着用し、頭部の保護を行うことが推奨されます。

11. 大気汚染:空気の質を改善することが求められます。

12. 社会的孤立:社会的なつながりを維持し、孤立を避けることが重要です。

13. 高コレステロール(LDL):中年期からコレステロール値を管理することが推奨されます。

14. 未治療の視力低下:視力の低下を早期に検出し、適切な矯正を行うことが重要です。

 

 これらの要因に対処することで、認知症のリスクを大幅に減らすことが可能です。今日からでも取り組めそうな項目がいくつもあるのではないでしょうか。頑張りましょう。

 

 

副院長 梅野一男