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精神科コラム

認知症と感情変化

認知症とは、記憶力の低下だけでなくコミュニケーション能力なども含めた認知機能の低下を特徴とする疾患です。この疾患は、高齢者に多く、時間の経過とともに徐々に悪化していくことが知られています。

 

認知症の発症とともに普段の生活の中で問題となるような感情の変化(認知症に伴う心理症状)が出現する方もいます。不安や恐怖、抑うつ、怒りなどが不適切な程度で出現してします。例えば、日常生活の様々な場面で助けが必要になってしまい、時に家族や友人との関係が悪くなってしまいます。それが原因となり、孤独感や不安感、抑うつなどの感情を引き起こすこともあります。

 

認知症の方が環境や人々の変化に対して反応しにくくなったり、不適切な行動を起こしてしまうことで、逆に家族や介護者が不安や混乱を感じることもあります。

 

認知症とともに起こる感情の変化は、認知症患者さん自身やとその家族や付き添いの人々にとって大きなストレスや負担を引き起こすことがあります。認知症患者さんへのサポートや介護においては、感情の変化も考慮することが大切であり、適切な心理的な支援が求められます。

 

精神保健医療部長 平岡 健太郎